top of page

​大学院で宗教学を学びたい人のために

~方法と対象を明確に!~

 宗教学は、歴史学、社会学、文学、心理学などの学問に比べ、マイナーな学問と言わざるを得ません。上述のような学問と比べると、方法論が十分に確立していないことがその理由のひとつと言えるでしょう。ですので、歴史学や社会学、文学や心理学などの研究方法を援用しつつ宗教を研究しているというところもあります。

 個人的には、宗教学の方法論を鍛え上げていくことに関心がありますが、それはそれとしまして、宗教を研究するためには、自分がどのような方法を用いようとしているのか、しっかりと考えておく必要があります。歴史学的・文献学的な研究、統計を用いた心理学的・社会学的な研究、フィールドワークを行う宗教人類学的な研究などありますが、ひとりですべてをできるわけではありません。

 また、それらの方法は研究対象により変わります。過去の宗教を研究したければ歴史学的なアプローチを取ることになるし、異文化としての宗教を研究したければ人類学的なアプローチが有効でしょう。必要に応じて、言語の習得も(現代語だけでなく、古代語も含め)重要な課題となります。

 漠然と「宗教について興味がある」というだけだと、研究を進めるのは困難です。ですから、自分が研究するための方法と対象を明確にしておくことが、大学院入学までの課題です。

~重要となる語学力~

  どのような分野を学ぶにしても、英語力は必要です。大学院では英語で書かれた専門文献を日常的に読んでいくからです。

 確かに、分野によってはドイツ語、フランス語、スペイン語、ロシア語、中国語などの第二(第三)外国語を習得しておく必要があります。またキリスト教(聖書)の研究をするのであれば、ギリシア語やラテン語、へブル語など、仏教の研究であればサンスクリット語やパーリ語が必要となります。ですから、研究に必要となる外国語を複数使いこなせれば、それに越したことはありません。

 ただ、十分に諸外国語を使いこなせなかったとしても、英語力、とりわけ読解力だけは大学院で研究を進めるために必須と考えて下さい。

 

​~経済力は必要か~

 経済的な理由で、大学院で学ぶことに負担を感じている学生の方がいるかもしれません。もちろん、大学院で学ぶ上でお金は必要ですが、家が資産家である必要はありません。贅沢をしなければ、無理なく学んでいくことができると思います。個人的な経験から申し上げると、たくさんでなくてもよいので、要領よくお金を稼ぐ術、それと同時に出費を抑えて学び、生活する術を身につけていくことが必要です。

 ティーチング・アシスタントなど、学びながらお金を稼ぐ方法もあります。図書館にリクエストを出して必要な書籍を購入してもらうということも可能です。

 情報を集め、様々なツールを駆使し、効率よく成果を積み重ねていく術は、将来においてもきっと役に立つでしょう。

​~海外から日本への留学を考えているみなさんへ~

 北海道大学大学院 文学研究科 宗教学インド哲学講座では海外からの留学生を受け入れています。原則として、日本語能力試験N1に合格していること、研究テーマが明確であることが、宗教学インド哲学講座で学ぶための条件となります。

 大学院の正規の学生(大学院生)となる前に、研究生として半年から1年学び、大学院入試の準備をするのが一般的ですが、研究生としての受け入れに際しても、上記の条件、すなわち日本語能力試験N1合格と研究テーマの明確化が求められています。

 基本情報は、北海道大学大学院文学研究科・文学部のHPで確認して下さい。

 https://www.let.hokudai.ac.jp/international/go-to-hokudai/

bottom of page